ホルモン パソコンと音楽創造する

 

 

唇のつらい症状をスーっと抑えてくれるそうです。

今は落ち着いてるけど心強い薬です。

 

 

　

　タイトルはこれまでの、ちょっとユーモラスな実用書と同じような感じ。

ですが、内容はかなり一般的な用語をあえて用いつつ、「外在化」「快・不快のバイナリーコード」「万能感が、そのコードにバグを入れる」など大嶋流の心理術を総まとめしています。

 

　多くの大嶋著書を読んできた人にとっては、復習と再整理をしなおしてくれるありがたい本です。

 

　一般的で受け入れられやすいところから、徐々に読者を誘い入れます。

 

★一章では「やる気が出ない」＝「（学習性）無気力」と定義して、医学的、心理学的な一般的知見を紹介しています。ラットの実験とかホルモン分泌とか、すでに学問的に認知されている事象を提示。

　そして、最後のあたりで、でもこうした医学的データだけではなく、「カウンセラー独自の視点」からの短期療法を提案する、と立ち位置を明らかにします。

　ここに「外在化」が出てきます。

　おっ、最初にこれが。自分を責める問題の「直面化」ではなく、外に原因がある「外在化」で解釈することによって、当人を楽にします。

　続いて、生物としての正しいコードは、「快・不快」で生きることなのに、「正しい・正しくない」で生きてしまうことが、バグを生じさせ、「無気力を生む」とします。

　このバグの原因として「万能感」「他者からの嫉妬」「ミラーニューロン」「母親との関係性」を次章から追求。

 

★二章　万能感（説明されていますが、独特のキーワード）によるジャッジの積み重ねが、うつを生むこと。人の恒常性（決めつける思考が、自信と不安の間を揺れ動くという特性）。そのために万能感というバグを減らすために「わからない」とか「快・不快」だけで動く習慣をつけてゆきます。（現代はすべてをネット検索などで知ることができ、万能感を持ちやすい時代になっています。田舎ならば思い通りにならない不便さがありますが、都会では万能感という知性でですべてをコントロールできると考えがち）

　そして万能感という「発作」（この用語も徐々に出てきました。独自のタームですし）のもとにあるのは孤独。このあたりまでは初心者もそろそろとついてこれるかも。

 

★三章　ミラーニューロン説を紹介し、「嫉妬による攻撃」から身を守る方法を。無視する、ブラックホールに吸い込ませる、褒め殺しする————などいろいろですが、この「嫉妬」は初めての読者にはなかなかわかりにくいかもしれません。しかし人間心理のもっともねばっこい本能的な電気発射・帯電（本書ではこの比喩は使われていません）として、この概念に病みつきになる人は多いのでは。

 

★四章　はさらに家族の中での嫉妬関係に踏み込み、母親の心配が子供を動けなくする話など、大嶋流ならではのデリケートで深遠な心理の機微に入っていきます。痛い話が多く、ひりひりと、感覚にきます。一般的な読者にとっては、読んだことのない（文学的な）世界だと思います。でも、あちこちかすかに思い当たる……

 

　三章、四章とどんどん短くなるのは、一般的な用語ではわかりにくい大嶋世界の、秘伝部分にまでは初心読者をつれていけないという見切りもあるかもしれません。「未来の自分につながって、未来を変える」（「見ないで伏せる」方法など）など大嶋読者ならではの奥義を一瞬チラ見せ。

 

※何だか大嶋流の免許皆伝みたいな偉そうなレビューになってしまいました。しかしここで自分にダメ出しはしないことにします（笑）。

 

☆中央くらいに、ひじょうに美しいユートピアを予告する箇所があります。これはブログでも読んだことがありますが、

 

「快・不快」コードで生きてゆくとは、すでにいまここにある状態が素晴らしいと気づけるコードだということ。そして「万能感というバグが消えてゆくと、「すべて時にかなって美しい」風景が見えてきます。

　……運がよかった」とか「悪かった」という言い方にも、一つのジャッジが含まれています。……自分で判断することを続けてゆくと、本来のバイナリーコードがやはりずれて歪んでいきます。」（p.93）

 

 さらに————楽園が垣間見える文が続きます。

 

「「快・不快・快・不快……」を感じ、それを流していくことで見えてくる風景とは、実は「私」のために用意されている風景です————判断を差し挟まない状態を続けたうえで見えてくる風景は、本当にきれいな風景です。それこそが、バグのない世界です。バグがなくなったとき、そこには本当の自分にとっての世界が用意されている、というわけです。その意味で、本来世界は「私」のためにある、「私」のために用意されている、と言えます。（p.93-94）

 

 ただ、あるがままにある……というのか、ノン・デュアリティとは違うのかもしれませんが、ただしずかに世界を観照している、ような、一体感の凪の状態かと思います。

 

☆「バグのない世界」

　それはおそらく今回まったく出てこなかった、「呪文」や「遺伝子コード」によって、むしろ論理をワープして（無意識によって）つれていかれる世界ではないでしょうか。

　そういう意味では、本書の続編、続々篇が待たれます。（というか、むむ、と思った読者は、私のようにたちまち全著書を買うでしょう……）

　

みなさん　こんにちは

 

ダイエットコーチ　も　している　代替医療師Vanilla です

 

 

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