マタニティー 何も足さない、何も引かない
1枚の写真から小説を書く・働く女性たち…「妖怪マネキン 妖子」…働く女性たち 52話
あるスーパーの通路で私の前を横切った幼稚園児ぐらいの男の子が、下着売り場のセクシーな下着を着けたマネキンのパンツをスルリと脱がしたのです。さらにこの男の子は背伸びしてブラジャーを下ろそうとしたが残念ながら手が届かなかった。
その瞬間に私はシャッターチャンスと撮ったのがこの画像になります。このマネキンさん、それから約30分はそのまま放置されてかなり恥ずかしそうにしていたが、私はパンツを履かしてあげる勇気はなかった。
★…その1枚の写真を見ながらなにか小説を書くことにした。その画像と小説がこれになります。
小説…「妖怪マネキン…妖子」…働く女性たち 52話
妖怪の種類の中に「もののけ」という妖怪がいる。このもののけの「物」とは人間以外の物で人間が長年使ってきた生活のための道具など人が直に接して30年以上使われた物になる。これらの古い物は土蔵や納屋に大事に保管されてこそ成仏するが、中には無残にも山や森に打ち捨てられた物が「もののけ」として人間社会に化けて出てくることもある。
これは物ではあるが、長年人間と接してきたために人間の心を宿ることになる。しかし、それは完全なものではなく姿かたちは茶釜でも手と脚があるもの、番傘の1本脚で目がひとつの妖怪が人を驚かせている。
マネキンも人に使われた物ではあるが、元々、姿形が人そのもので人間の心を宿るには3年もかからなかった。そのマネキンを多く使っている大手のスーパーマーケットに派遣された若い女性のマネキン「妖子」は今日も女性の下着売り場でセクシーな下着で笑顔を振りまいていた。
この下着売り場や水着売り場に派遣されるマネキンは若いはもちろん、美形で色白でスタイルは抜群でなければならないのでマネキン業界でもA級の誇りのある仕事になっていた。
妖子はマネキン工場からこのスーパーに引き取られて3年ほど経っていた。マネキンだから歩くことも目を閉じることも出来ないが、スーパーの社員や客などと接しているうちに自然に人の心を宿るようになっていた。
妖子の婦人服売り場の前方には通路を挟んで紳士服売り場があるが、そのメインのマネキンに「拓也」というマネキンがいた。拓也は背が高くてカジュアルものから高級スーツまでよく似合う拓也に恋をしていた。
その拓也との距離は10メーターほどで拓也の表情なども手に取るようにわかっていた。妖子のこの日の仕事は下着のバーゲンセールでこれもメインのマネキンとして明るい照明に照らさてスターの貫禄を見せている。
と、その時、幼稚園児ぐらいの男の子が親の目を盗んでツカツカと妖子に歩みより、セクシーなパンツをスルリと脱がしてしまった。妖子は心の中で、
「おぃおぃ、なにすんねん…恥ずかしいやんか…」
と赤面していたが、それは顔には出せなかった。それを見ていた拓也も目を伏せて見ないようにしたがこれも無理になる。
妖子にすればすぐにでも店員に発見されてパンツを履かせてもらえると信じていたが、妖子の前を通る店員は婦人服売り場の店員ではないので「見て見ない振り」をして通り過ぎていた。下半身スッボンポンのまま約30分ほど経ってようやくパンツを履かしてもらえた。
この婦人服、紳士服大バーゲンは本日が最終日になっている。そしてその夜には倉庫で保管されるが、これは男女別ではなく店員が適当に置いていた。妖子にすればこれが大チャンスで拓也の近くに置いてほしいと願っていたところ、これが偶然にも拓也と真向かいで妖子を抱くようにに置かれてそれは拓也の息が感じるほど近かった。
その暗い倉庫で拓也の方が先に声をかけてくれた。それはもちろん心の中の会話になる。
「今日はお疲れさまでした…」
「はい、拓也さんも…それにしても拓也さんは人気があります」
「いや~そんなことはない、妖子さんの着ていた下着メーカーのフラワーがこのバーゲンの売り上げがトップだったと店員が話しをしていた」
「あの~その~、今日は私の恥ずかし姿をお見せして…スイマセンでした」
「…いや~あれには驚きました。でも、妖子さんの素敵なところを見せていただいて私も胸がドキドキしました」
「そんな~今でも恥ずかしくて赤面しています」
「妖子さんのそんなところが大好きです」
「わ、私も前から拓也さんをお慕いしていました」
こうして二人は抱き合いキスをして目出度く結ばれていたのです。も、もちろん、これはこの二人の心の中のことですが、それから3日3晩二人は倉庫の中で愛を確かめあっていたが、次のセールで拓也は紳士服売り場に、妖子はなぜか婦人服売り場から外されてマタニティー用品売り場で妊婦ドレスを着せられて立っていました。そうです…この妖子さん、人間の心が宿り、人間と同じように「想像妊娠」してお腹が大きくなっていたのです。
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マタニティーのある時 ない時
息子
常駐させてもめちゃくちゃ軽快に動作する「マタニティー」
つづきです。
私に昨年度妊娠報告をしてきた友人は、長年の友人です。
私よりも年下だから、仕方がないけれど。
けれど嫌ですよね。
妊娠報告があった昨年の秋ごろは、私は不妊治療の結果が出ずにすごく落ち込んでいた時だったので本当に最悪でした。
友人に死んでほしいとさえ思いました。
私は今現在妊娠19週ですが、友人たちには一切妊娠報告していません。
不妊治療をしたきたので、不妊の人の気持ちが心からわかるからです。
もちろん、マタニティーマークもしません。