これからも、生きて行くので 戦力

「鉄道ファンはなぜ鉄道会社に就職できないのか？」

↑この疑問は昔から思うことで、今現在鉄道会社（協力会社も含む）で

働いている人、以前鉄道会社（協力会社も含む）で働いていた人、

直接は鉄道会社で働いていないが、「鉄道写真家」、「鉄道ライター」、

「鉄道評論家」、「鉄道タレント」などで活躍される人に

直接聞いてみたいことだ。

・・・男性の鉄道ファンならば、多くは鉄道会社に就職し、

列車の運転や整備などの仕事に憧れるものである。

しかし現実はそう甘くない。

入社希望者数は当然ことながら多く、試験は受験出来ても

合格（就職）できる人は決して多くない。

新卒でも中途でも鉄道会社に入社すること自体が「狭き門」なのである。

今は違うかもしれないが、市役所や町役場などは幹部の役人や

議員が知り合いとしているならば、いわゆる「コネ」で就職できる

ケースが多く、町役場ほどそれで入った人が多い。

鉄道会社でも同様のことが言える。むしろこのルートから入社する人は

鉄道会社としては「歓迎」なのだ。

と言うのも、「コネ」で入っているので会社に対しての「忠誠心」が

一般入社組と比べて高い＝「安全に対する意識」も高い。

私も以前関東の某私鉄やその某私鉄の傘下にある地方私鉄に

「コネ」で就職できそうな話はあったが、なんらかんら言って入れなかった。

所詮世の中「そんなもん」である。

JR東日本の場合、「テンポラリースタッフ」と称した学生やフリーター向けの

アルバイトがある。主な仕事内容は駅の掃除、お客への案内業務、

通勤時間帯（７～９時台）ホームに立ち列車監視（駅や鉄道会社に

よっては車掌に発車合図を出すことも出来る）、いわゆる「押し屋」

などである。給与や待遇は社員よりは悪いものの鉄道会社で

働ける良い機会である。

またJR東日本もいわゆる「コネ」で入った社員もそれなりに居るようだ。

・・・以前JR東海で勤務経験がある人のブログを読んだ事がある。

それによると、新人研修のときに「鉄道ファン。鉄道が好き」と

周囲に言ったところ、嫌われたと言う。話の相手にすらしてもらえず、

いじめに遭い、結果的にはJR東海を退職したと書いてあった。

鉄道会社の内部では、社員が「鉄道ファン」「鉄道が好き」と言うことは

受け入れにくい、嫌われやすいようである。

今や女性が駅員や乗務員として活躍しているケースを当たり前のように

見るが、「そもそもなぜ鉄道会社に就職したのか？」を考えると、

少なくても「鉄道ファン」とか「鉄道が好き」と言う理由で入った人は

皆無に等しいはずだ。ほとんどが「接客をしたい」とか「いろんな

仕事を経験したい」とか「安定した企業で働きたい」などである。

男性になってしまうが、『車掌に裁かれるJR』などの著述で知られる

JR東日本社員で中央快速線の車掌を勤める斎藤典雄氏が

国鉄に入った理由は、「アルバイトしながら遊び歩くのも楽しいが、

国鉄に入って毎月キチンと給与をもらいたい」だったと言う。

斎藤氏は駅員から車掌にステップアップしたときに

「せいぜい車掌の仕事は２～３年だろう」と思っていたのに、

実際は「車掌一筋３０年」になってしまい、「まさかずっと車掌とはね」

「給与は上がらないし」と。

斎藤氏の著述を読むと、必ずしも鉄道が好きな用には見えない。

「○○しない鉄道マニアが悪い」とか「オレの車内放送している声を

録らないでくれ。録ったらネットに流されるのでは？・・・」と

書いてあるところもあり、鉄道ファンとか鉄道が詳しい人を

好んでいるようには見えない。恐怖心も感じられる。

車掌の仕事内容、そこから見える”人間模様”が著述では多い。

従って、鉄道会社社員に言わせると、鉄道ファンや鉄道好きな人に

対して決して「良い目」で見ていないのである。

しかし、実際はどうなのだろうか？

関係者に聞かないとわからない。

・・・話を戻すが、「マニア」が嫌われる理屈は自衛隊、警察、消防でも

言えることで、自衛隊の場合「軍事オタク」は陸海空関係なく同僚上司から

やはり嫌われるようだ。例えば陸上自衛隊に入り、基本教育訓練を

受けている２士（２等陸士）が「９０式戦車」とか「６４式小銃」の

スペックとか操作方法などを”マニアのうんちく”で細かく語りだした日には、

むしろ、「変な思想を持った奴」として見られてしまうのだろう。

それはそれで「おもしろい奴」として扱われるのかもしれないが、

多くは「良い目」をしないはずだ。

鉄道会社も同様で、JR東海に入社し３１３系の０番台と１７００番台の

違いを教育期間中に細かく語りだした日にはそれはそれで

いじめに遭うだろうが、実際はどうなのであろうか？

私はそういう経験がないからわからない。

・・・鉄道会社の社員はやはり鉄道ファンを嫌うのだろうか？

だから、試験でそういう人を見つけては相手にしない（不合格にさせる）

のであろう。この説はかなり有力である。「２ちゃんねる」や

「Yahoo!知恵袋」にある書き込みを見ると、実に多い内容である。

正しいか？どうかは不明なので、これも鉄道会社関係者に

聞いてみたいところである。

「鉄道ファンが嫌いだから」と言う理由だけではないようだ。

前述で「コネ」で入った方が会社に対する「忠誠心」が高いと

申し上げたが、鉄道ファンは一般入社組の中でもこれは

かなり低いと言う。要するに「マニア的な発想」、「自分の理想」を

そのまま仕事にぶつけてしまうので、同僚や上司と上手く行かないし、

お客とトラブルになることも多いから嫌がる。

鉄道が好き＝鉄道に対する自身のプライドが高い

人があまりにも多いから嫌がるんだとか。

先日管制官が自身のブログで管制塔内部の写真や

飛行経路図などをアップし大問題になっているが、

鉄道ファンである鉄道会社社員が、鉄道会社内部の公開しては

いけない情報をブログなどで外に出す可能性はあるだろう。

しかし、このケースは興
味本位とか好きという問題ではなく、

「個人のモラル」、「人間性」の問題である。

タテマエとしては、これが問題なので採用したがらないのであろう。

これも鉄道会社関係者に聞いてみたい。

・・・就職難の今の時代、鉄道ファンでメシを食っていくだけで

大変な人は多々知っている。鉄道とは無縁の仕事をしている人が多いが

多くは「いつかは鉄道会社で働いてみたい」と言う願望を持っている人が

実に多い。その理由で今勤めている会社を辞めて鉄道会社の

中途採用試験に挑戦した人も私の知っている人には居る。

（その人は晴れて某鉄道会社に就職できたらしい）

鉄道ファンの場合、鉄道の知識、例えばきっぷのルール、地理

（どこに○○線がある、☆☆駅はここにあ所要時間□□分、

有名な観光地や温泉は△△と的確に答えられる）、

鉄道を動かす仕組みと言ったメカニック的な事など

「マニア的な知識」、「予備知識」は必然的に持っているので

それそれで私は立派な”スキル”だと思う。

何も知らない、「接客をしたい」、「給与や待遇が良いから」と言う理由で

入ってくる人に比べれば、鉄道のイロハを１から教える教育担当者の

負担は軽減されるだろうし、短い教育期間で済むはずだ。

こう言う「マニア的な知識」、「予備知識」があれば、

現場では十分即戦力になる

はずだ。

鉄道会社に限らずどの会社も「未経験歓迎」と称しながらも

実態は即戦力を求めている企業が実に多い。

鉄道業界は技術職（保線、架線、土木など）は即戦力を求める

傾向がある。これは専門性が強いから仕方がない。

駅員や乗務員は１からしっかり教育しているので必ずしも即戦力を

求めず、「１からじっくり１人に前になるまで教育する」と言う考えだ。

これはこれで雇うこととして、これとは別枠に即戦力を対象とした

「鉄道ファン枠」などの名称で採用活動があっても良いのではないか？

具体的な試験内容は、一般常識、面接、作文、適性検査はもちろんだが、

これらに加えて「鉄道の基礎知識」を問う問題、例えば

「ATSとATCの違いは？」

「防護無線の役割は？」

「”乗り継ぎ割り引き”はどういう利用方法で適用されるか？」

「○○駅～△△駅まで特定の条件で運賃計算せよ」

などが試験問題としてあっても良いと思う。

JR各社の年齢構成を見ると、１９９０年前後に高校や大学を卒業し

社会人になった人、４０代の社員が極端に少ない。

「年齢構成がいびつ」なのである。

合理化で社員数は会社発足時よりも半分程度しか居ない

会社（JR北海道やJR西日本など）も見られ、少ない人数で

鉄道を支えるのには、いくら自動化が進んでも限界がある。

JR西日本の場合、現在の社員数は２８，０００人程度だと思ったが、

線路の距離は５，０００ｋｍ近くある。２８，０００人の人間でよく

５，０００ｋｍ近い路線を支えることができるなと思ってしまう。

１人あたりの業務量も昔に比べれば多いはずだ。

保線作業や車両の整備作業なんかは実にその多くが協力会社

任せだから本社の技術は育っているのか？と思ってしまう。

鉄道には「マンパワー」がそれなりに重要なのである。

今のJRのやっている合理化は間違えている。

悪い方向に向かっているのである。

「マンパワー」を確保するには今よりも多くの人員の確保が

必要。技術職は沢山採用し、現業職（駅員など）も即戦力として

使える鉄道ファンを業務中に活かすべきではないか？

協力会社に任せる傾向もあるが、本体が直接やらないと

技術そのものが若い世代に継承されない、技術が育たないのでは

ないか？これは全てのJR各社で直面する安全を揺るがす大問題と

なっている。前述のJR東日本の斎藤氏も危惧している。

・・・最後に、「鉄道ファンがなぜ鉄道会社に就職できないのか？」と

細かく私の考えを申し上げた。正直な話このブログの作成には

かなりの時間がかかった。

この表題の件に関することは多くの人が思っていることなのかも

しれない。この答えや実態が少しでもわかれば、このブログ記事を

作成した甲斐があったと思う。鉄道会社に就職しようとしている人の

参考になれば幸いである。

しかし、あくまでもこのブログ記事内容は鉄道会社で働いたことの

ない私が聞いた話を上手くまとめただけに過ぎない。

実際はこの記事内容と同じ（正しい）のであろうか？

働いている人、以前鉄道会社（協力会社も含む）で働いていた人、

直接は鉄道会社で働いていないが、「鉄道写真家」、「鉄道ライター」、

「鉄道評論家」、「鉄道タレント」などで活躍される人に疑問をぶつけて

みたつもりだ。